本書は、誰もが本来もっている論理的思考力を呼び覚まします。著者によれば、文系の人は自らが秘めた力に無意識なぶん、むしろ「のびしろ」があるそうです。日々の仕事で選択に迷うとき、袋小路に入りこんだとき、数学は活路(=答え)を導く武器になるのです。まさに読んでナットク、知ってオトクな「実学数学」18講義。本書で「偶然」のヒラメキを意識的な「必然」に変えられる、最強ビジネスパーソンになってください。
仕事人間×数学=最強!
著者の永野裕之さんは「数学塾の先生」「ワインのソムリエ」「プロ指揮者」という、少なく見積もっても3足のワラジをはいた稀有な方です。その多才ぶりは本書のタイトルにも発揮されました。通常、本のタイトルは担当編集が頭を悩ませてつけるのですが、この世にも稀なる芸達者の著者は『仕事人間×数学=最強』というタイトル案を提示してきました。最終的に、仕事人間を自認する人は少ないし、そういわれたくもないだろうということで、見てのとおりのタイトルになりました。
この本の最大の特長はなんといっても「わかりやすさ」です。同著者の弊社既刊本『ふたたびの微分・積分』(詳細はこちら)でもその丁寧で細やかな語り口は遺憾なく発揮されていますが、今回の本は私のような文系人間を主たる読者対象にしています。そこで、永野先生はわかりやすい比喩や事例、親しみのわくイラストなどに徹底してこだわったとのことです。読めばきっと「文系だから数学不要」というのがトンデモナイ思い込みだったと気づける、そんな一冊です。
(担当編集者:稲葉より)
永野裕之(ながの・ひろゆき)
1974年、東京生まれ。 暁星高等学校を経て東京大学理学部地球惑星物理学科卒。 同大学院宇宙科学研究所(現JAXA)中退。 高校時代、数学オリンピックに出場したほか、広中平祐氏主催の「数理の翼セミナー」に東京都代表として参加。 現在、数学専門・個別指導塾「永野数学塾」塾長。 プロの指揮者でもある。 主な著書に『大人のための数学勉強法』(ダイヤモンド社刊)、『東大教授の父が教えてくれた頭がよくなる勉強法』(PHP研究所刊)、『ふたたびの微分・積分』(小社刊)がある。