健康分野のテーマを評価する際の、「損失余命」という新しいものさしを提示する1冊です。
「損失余命」とは、ある食事や行動をしたとき、どの程度その後の寿命が減るのか、先行するさまざまな研究で積み重ねられてきた発がんなどの健康被害との関係から計算した平均値のこと。たとえば、喫煙ならば1本12分、毎朝のコーヒーならば1杯20秒、コンビニのフランクフルト1本なら1分14秒の寿命が減るだけのリスクがある、といった感じです。
著者が福島の風評被害対策の講演などを行う中でも、もっとも聴衆の反応がよいリスク提示方法であり、UNSCEAR(原子放射線に関する国連科学委員会)などの国際機関も注目し、放射性物質のリスク説明手段として、損失余命を使う研究を始めているそうです。この損失余命の考え方に従い、さまざまな食品や習慣で縮む寿命の長さと、その理由を示す1冊です。
このような内容の本を読んだのは初めてで、内容について理解できました。(ペンネーム:M.K様)